医療法人社団百子会 やまな病院

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理事長行廣の整形外科基礎知識

part3「キズのお話」 2004
4.1

下記に述べることは正しいことでしょうか?
正しい項目に○をつけて下さい。

  1. 傷は必ず消毒する。消毒しなければいけない。
  2. 傷は消毒しないと化膿する。傷が化膿しないように消毒している。
  3. 傷が化膿したので消毒する。
  4. 傷にはガーゼをあてる。
  5. 傷は濡らしてはいけない。縫った傷は濡らしてはいけない。
  6. 痂皮(カサブタ)は傷が治るときにできる。痂皮ができたら傷が治る。

恐らく,ほとんどの皆さんはこれらに丸を付けるのではないでしょうか?
これらは以前より、疑いようのない真実として、
医療関係者および一般の人にも盲目的に信じられていました。しかし、最近の研究では、
実はこの全てが間違っているのではないかと考えられるようになってきました。
従来どおりの処置でも、ほとんどのキズは治りますが、
長く痛みを伴ったり、治癒期間が遅くなったりします。

新しい知識は次のようになります。

  1. 傷は消毒してはいけない。
    消毒は、傷の治癒を遅ら妨害しているだけの無意味な行為である。
  2. 消毒しても傷の化膿は防げない。傷の化膿は別のメカニズムで起こっている。
  3. 化膿した傷を消毒しても、治療効果は全くなく無意味である。
  4. 傷(特に皮膚欠損創)にガーゼをあてるのは、創治癒を遅らせる行為である。
  5. 傷はどんどん洗ったほうが良い。
    傷の化膿の予防のためにも、治癒を促進させるためにも最も効果がある。
  6. 痂皮(カサブタ)は傷が治らないときにできる。
    痂皮は創治癒がストップしているからできている。
    痂皮は創治癒の大敵である。

このような新しい創傷治療の概念が提唱されてきたのはごく最近のことです。
キーワードは『キズは消毒しない、乾かさない』です。
キズを消毒したり乾かしたりすると、
傷を治そうと頑張っている細胞が死んでしまうのです。
キズに適度な湿潤環境を与えることで、
迅速にそしてきれいに、キズはなおっていくのです。
当院でも1年ほど前からこの治療法を取り入れていますが、
従来のように痛みを伴わず、体に優しい治療法なので、患者さんにも好評です。

参考:『新しい創傷治療』 http://www.wound-treatment.jp/

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